作品説明
九谷焼では珍しい黒を基調に、手びねりの素地に掻き落としと呼ばれる技法を用いて絵付を施した香合です。蓋には大胆な構図で蝶が、蓋を開けると中には蓮がそれぞれ描かれています。
一見豪快にも見える掻き落とし技法ですが、実際の作業は緻密。 黒を塗った後、表面を削るようにして柄を描き上げていきます。白く見える部分は素地の色で、筆で描くよりもお手間がかかりますが、「綺麗すぎない粗削りな線で描きたい」という井上さんの思いが込められています。
九谷五彩を用いずに黒の絵具と弁柄で彩色を施された本作は、モダンさと素朴な力強さが絶妙のバランスで共存しています。お香だけに限らず、何か大切なものを入れる蓋物として、あるいはそのままオブジェとして飾っていただくのも素敵です。
<ご注意点>
可能な限り、実物に近い色味の再現に努めておりますが、お客様のモニターのご利用環境によって、作品の色味の見え方が多少異なる場合がございます。予めご了承のほどお願い致します。
九谷焼 | 井上 雅子
プロフィール
- 2002年 飛騨国際工芸学園 修了
- 2002年 九谷焼技術研修所 修了
- 2013年 九谷焼伝統工芸士 認定
- 2015年 京都陶磁器会館二人展
- 2016年 伊万里・有田焼開窯400年 九谷焼開窯360年記念展
- 2016年 第55回日本現代工芸美術展 入選
- 2017年 第56回日本現代工芸美術展 現代工芸新人賞
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